ちゆき
とっても読みやすくてわかりやすい、スパイスカレーの入門書をご紹介。
前に印度カリー子さんの初の著書「おもくない!ふとらない!スパイスとカレー入門」について書きましたが、この「私でもスパイスカレー作れました!」はマンガ。描いているのはイラストレーターでキャンプコーディネーターでもあるこいしゆうかさん。ふんわりとしたかわいらしいイラストで、内容も初心者に向けてとても親切なので「スパイスカレーはハードルが高い…」と感じている方にぜひ読んでいただきたいです。
このわかりやすさはこいしさんがご自分でも言われているように、「料理が苦手」であることから生まれています。レシピどおりに作れない、味が合っているかわからない、見た目が「沼」の料理になる…そんなこいしさんがスパイスとカレーを全身全霊で愛するカリー子さんにいろいろ教わっていく、という内容です。
スパイスカレーを作るために必要な食材、調理道具はどれも身近なもので、必要なスパイスも普通のスーパーで買える3種類だけ。具体的に挙げると、トマトや玉ねぎ、にんにくにしょうが、ヨーグルトなど。包丁やフライパン、木べら。あとはカレーに入れたい具材。
調理工程も簡単で、切る・炒めるだけ。玉ねぎをみじん切りにしてこげ茶色になるまで10分ほど炒めるのに時間がかかる程度で、あとは至って簡単です。
こいしさんもこの本の冒頭で熱弁していますが、カリー子さん流スパイスカレーは簡単なルールさえ覚えればレシピはいりません。
カレーの主役になる肉、魚、野菜、豆。液体部分のヨーグルトや生クリーム、牛乳など。これらをどう組み合わせるかは無限で正解はない。だから自由。自分の食べたいもの、その日おうちにあるものでいくらでもアレンジができます。なのに簡単。スパイスカレーのハードルが下がり、一度作ってみたくなるはずです。
とても親切な本で、失敗につながる例についても書いてくれています。例えば味が物足りなかったらスパイスを足す、食材はたくさん入れる。ついやってしまいがちですが、実はNG。その理由も解説してくれています。
マンガで初心者向けなので、カリー子さんの本(3年足らずで10冊も出版!)でも随一の読みやすさなのがこの本の魅力。でもそれだけではなくて、スパイスを使ったカレー以外のレシピやスパイスの特徴や効能、上級者向けの知識なども載っていて充実した内容となっています。私はスパイスには健康に良い様々な効能があることをこの本で知り、「もっとスパイスについて知りたい!」という気持ちが湧きました。今ではカリー子流カレーに必要な3種類(ターメリック、クミン、コリアンダー。カリー子さんはタクコと呼んでいます)以外のスパイスも家にあり、日々の料理に活かしたり、ちょい足しに使ったりしています。
まさにカリー子さんの思惑通りにカレーとスパイスにハマっていると言えます。
「私でもスパイスカレー作れました!」はカリー子さんとこいしさんの2人だからこそできた本ですが、なんだかそのかけ合わせはスパイスと食材で美味しいカレーができるのと似ている気がします。
こいしさんがカリー子さんをとおしてスパイスカレーに魅了されたように、ぜひたくさんの方に読んで実際に作っていただけたらと思います。